フォークリフトに巻き込まれてしまった方へ
フォークリフトは、人力では運ぶことが難しい物を運搬することができ、便利な機械として活躍しています。
もっとも、非常に強いパワーを有する機械であるため、運転者の不注意により、挟まれ・巻き込まれ・激突などしてしまった場合は、
大けがにつながりやすいものといえます。
ここでは、事故に遭われた場合の法的支援(損害賠償の内容)を説明します。
労災の申請
業務中にフォークリフトに轢かれるなどして、怪我をしてしまった場合は、まずは早めに労災の申請をしましょう。
労災申請をすることで、労災保険による治療費(療養補償給付)が支給されるため、治療費の心配がなくなります。
また、怪我の影響で、会社を休まなければならなくなってしまった場合も、その間の生活の保障として、
休業補償(休業補償給付)も労災から受けることができます。
さらに、治療を受けたとしても、障害が残る可能性もあります。
その場合は、後遺障害の申請を労働基準監督署に対して行うことにより、障害補償給付も受けることも可能です。
なお、この労災補償には、慰謝料が補てんされていないため、適切な補償を受けるためには、
別途、下記で説明する「会社への損害賠償請求を検討する必要」があります。
損害賠償の請求
フォークリフト運転者の不注意により轢かれてしまった方は、その運転者に対して、
上記の労災補償とは別に損害賠償請求することができます。
さらに、この場合は、会社に対しても損害の賠償請求が可能なことが多いです。
会社への損害賠償請求は、大きく①使用者責任と②安全配慮義務違反に基づく損害賠償請求が考えられます。
①使用者責任
使用者責任とは、業務中に従業員が起こしたミスで生じた第三者の損害に対する賠償責任を会社も負うものです。
本記事の内容で示すと、フォークリフト運転者の操作ミスで、作業していた労働者が轢かれて怪我をしてしまった場合は、
その運転者を雇っている会社も損害賠償責任を負いことになります。
これは、「会社は、従業員を使用して、利益を得ている以上は、責任も負担するべき」という考えからきています。
従業員のミスが原因である場合でも、会社がその従業員を雇っている以上、会社に対しても損害賠償が認められる可能性が高く、
検討の余地が大いにあるといえます。
②安全配慮義務違反
上記の使用者責任以外にも、フォークリフト事故について、
会社側にミスがある場合(フォークリフトの点検をしていなかった、作業計画が定められていなかった)にも、
会社は、損害賠償責任を負う可能性があります。
弁護士相談のメリット
上記のとおり、他の従業員のフォークリフトの操作ミスが事故の原因であったとしても、
会社に対して損害賠償請求できる可能性があることを説明しました。
会社に対して損害賠償請求する場合は、会社としても「過失相殺」や「損害論」を争ってくることが多く、
1個人で組織と争うことは大変なことです。泣き寝入りしてしまうケースも多いと思います。
これについては、経験豊富な弁護士が対応することで、適切な賠償請求するためのサポートを受けることができる可能性がありますので、
お気軽にご相談下さい。