非器質性の後遺障害について
うつ病やPTSD(外傷後ストレス障害)は非器質性の精神障害の後遺障害として、障害等級の認定が行われます。
非器質性の精神障害の後遺障害の認定時期
原則として障害等級の認定は治療が終了し、治癒後や症状固定の状態になってから行われます。業務による心理的負荷を原因とする非器質性精神障害は業務による心理的負荷を取り除き、適切な治療を行えば、多くの場合概ね半年~1年、長くとも2~3年の治療により完治するのが一般的です。しかし、非常にまれに「持続的な人格変化」を認めるという重篤な症状が残存することがあります。
非器質性精神障害の後遺障害の場合、症状が固定する時期にあっても、症状や能力低下に変動がみられることもありますが、その場合には良好な場合のみ、あるいは悪化した場合のみをとらえて判断することなく、療養中の状態から判断して障害の幅を踏まえて判断するのが適当であるとされています。
うつ病やPTSD(外傷後ストレス障害)の障害等級認定の方法
うつ病やPTSD(外傷後ストレス障害)の障害等級は残った精神症状と能力判断項目についての関係により判断され、認定されます。
精神症状とは
- 抑うつ状態
- 不安の状態
- 意欲低下の状態
- 慢性化した幻覚・妄想性の状態
- 記憶または知的能力の障害
- 衝動性の障害や不定愁訴など、その他の障害
のことです。
能力に関する判断項目とは
- 身辺日常生活
- 仕事・生活に積極性・関心を持つこと
- 通勤・勤務時間の遵守
- 普通に作業を持続すること
- 他人との意思伝達
- 身辺の安全保持、危機の回避
- <困難・失敗への対応
を指します。
上記のような精神状態が残った場合に
- できない
- しばしば助言・援助が必要
- 時に助言・援助が必要
- 適切・概ねできる
の4つに区分され、障害等級認定が行われます。
認定される障害等級
うつ病やPTSD(外傷後ストレス障害)といった非器質性の精神障害は、障害等級9級・12級・14級のいずれかに認定されます。