Q 一人親方の場合、労災保険に加入できますか
A 「特別加入制度」を利用すれば加入できる場合があります。
1.はじめに
労災保険は、労働者の業務または通勤による災害に対して保険給付を行う制度です。会社に雇われている労働者でなければ、労災保険に加入することができません。
一人親方は、人から雇われずに仕事をしているので、労働者とはいえず、そのままでは労災保険に加入することができません。
しかし、特別加入制度を利用することで、一人親方であっても労災保険に加入することができるのです。
2.特別加入制度とは
労働局の承認を受けた一人親方の団体(「特別加入団体」といいます。)を事業主、一人親方を労働者とみなして、労災保険の適用を受ける制度です。
特別加入の申請方法は、新たに特別加入団体をつくって申請する方法と、すでに特別加入を承認されている団体を通じて加入する方法の2通りの方法があります。
3.加入対象者
労働者を使用しないで事業を行うことを常態とする一人親方その他の自営業者及びその事業に従事する人(「一人親方等」といいます。)であれば、特別加入の対象となります。また、労働者を使用する場合であっても、労働者を使用する日の合計が1年間に100日に満たないときには、一人親方等として特別加入することができます。対象となる事業は以下の①~⑦の事業です。
- 自動車を使用して行う旅客または貨物の運送の事業(個人タクシー業者や個人貨物運送業者など)
- 土木、建築その他の工作物の建設、改造、保存、原状回復、修理、変更、破壊もしくは、解体またはその準備の事業(大工、左官、とび職人など)
- 漁船の水産動植物の採捕の事業
- 林業の事業
- 医薬品の配置販売の事業
- 再生利用の目的となる廃棄物などの収集、運搬、選別、解体などの事業
- 船員法第1条に規定する船員が行う事業
4.加入時健康診断
以下の業務に一定期間従事していた場合、健康診断が必要となります。健康診断の結果によっては、特別加入が認められない場合があります。
業務の種類 | 業務に従事した期間 | 必要となる健康診断 |
粉塵作業を行う業務
振動工具使用の業務 |
3年以上
1年以上 |
じん肺健康診断
振動障害健康診断 |
鉛業務 | 6か月以上 | 鉛中毒健康診断 |
有機溶剤業務 | 6か月以上 | 有機溶剤中毒健康診断 |
ご相談は、電話・メール・LINEでも可能で、いずれも無料です。
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